木のいのち 木のこころ

先日、倉吉の古川会長様から頂いたご本。
小川三夫様の御著書
「木のいのち 木のこころ」
講話の前夜のお食事のとき
読んだことなかったらプレゼントします、と
頂きました。有難うございます!
実は古川会長とは同業者。
お気遣いに感謝です。


実は私は(というか木造を真剣に取り組んでいるほとんどの方は)
小川さんのファンです。
数年前倉敷芸文館にこられたときも講話をお聞きしに参りました。
槍鉋の使い方に感動した記憶があります。
でもこの本は読んだことがありません。
前書きを読んだだけで魂を揺さぶるお言葉がいっぱい。
紹介いたします。


「大工は手の仕事です。頭で考えるだけでは建物を造る事はできません。
学校の勉強は記憶や抽象的な思考の訓練でした。西岡棟梁のもとで大工の修行を始めたとき、
それまでとはまったく違ったことを一から学ばなければなりませんでした。
言葉や数字を媒介にして記憶したり考えたりするかわりに、
体や手で自分の考えを表現しなければならなかったからです。
ここでは本や言葉による指導は何の役にも立ちませんでした。
千三百年前の姿をそのまま残す法隆寺薬師寺の建物は
職人達から職人達への手による記憶によって引き継がれてきたのです。
この手による記憶は、この後いかに科学が進んでも、言葉にも数式にもよらず、
やはり人間の体を使ってしみこませた記憶や勘によってしか伝えられないでしょう。
そしてそれを実践していくのは、私たち大工です」


本当にこころが震える言葉です。
これを朝読んだ後現場に行くと当社の棟梁が
奇しくも同じようなことを仰っていました。
鑿、鉋、鋸等、手道具にかける誇りについてでした。


以心伝心、つながっているなと嬉しくなりました。
このような時代だからこそ、
「こころが先行」
だと想います。
まやかしはまやかしです(笑)。


草々


四季の彩り
四季彩工務店
尾上和英拝